社長ブログ
上杉家 春日山城三十櫓にある 壁書
2009-02-02 (月)
運は天にあり、鎧は胸にあり、手柄は足にある。何時も敵を掌中に入れて合戦すべし、疵つくこと無し。死なんと戦えば生き、生きんと戦えば死するものなり。家を出ずるより帰えらじと思えば、また帰る。帰ると思えば、これまた帰らぬものなり。不定とのみ思うに違わずといえど、武士たる道は不定と思うべからず。必ず一定と思うべし。
人の世とは、そういうものかもしれぬ。何か欲しいと強く執着しているときは、かえって手に入らない。逆に、すべてを打ち捨てて無欲になったとき、天は人に味方する。
生きるも死ぬも時の運、勝負は定めなきものと人は言うが、じつはそうではない。知略をつくし、おのが足を使って働いてはじめて、手柄にをあげられる。つねに決死の覚悟をいただいて家を出なければならぬ
「天地人 火坂雅志」より