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石綿健康被害 改正法12月1日より施行

2008-12-15 (月)

石綿健康被害:改正法を施行…労災補償、遺族救済枠を拡大

救われないアスベスト(石綿)被害者が相次いで発覚したため、石綿健康被害救済法が改正され、1日施行された。時効で労災補償の請求権を失った遺族の救済枠を広げる一方、労災対象外の中皮腫や肺がん患者に対し原則300万円を支給する。

 労災補償の請求は死後5年まで可能だが、石綿を吸ってから発症するまでの潜伏期間が20~60年と長いため、遺族らが石綿との因果関係に気付かず時効になるケースが多発した。このため同法は、01年3月26日以前に死亡し、施行時の06年3月27日までに時効が成立した遺族を救済していた。

 ところが、その後も、厚生労働省が石綿労災の発生事業所を長く非公表とした影響などで、遺族が関連を認識できずに時効となるケースが相次いで発覚した。今回の改正では06年3月までに死亡して次の改正時期の11年3月までに時効になった人も救済する。

 また、労災対象外の住民や、一人だけで建設業などを営む“一人親方”の患者は06年3月以前の死亡者は全員救済だが、06年3月以降に生存していて未申請のまま死亡すると一切救済されなかった。生存者も申請以前分の医療費などは受け取れなかった。ここでも救済格差が生まれたため、死後5年間は申請可能とし、最低300万円は支給が受けられるように改正された。

【大島秀利】

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